![]() | 天体戦士サンレッド 3 (ヤングガンガンコミックス) (2006/08/25) くぼた まこと 商品詳細を見る |
毎回表紙の作風が違うサンレッドのコミックスもいよいよ3巻。
いきなりフルカラーページで始まるゴージャスな振る舞いを見せてくれます。
さて、サンレッドシリーズのコミックスで特徴的なのは、
連載時の煽り文がそのまま掲載されていること。
煽り文というのは、雑誌で掲載されているときに漫画の原稿の上に編集部が書き足す文章のこと。
「コミックス絶賛発売中!!」みたいな宣伝や、
「調子に乗っちゃってます」みたいな突っ込みなどなど。
コミックスでは、大抵削られちゃうのですが、サンレッドのコミックスではこれらが漏れなく掲載されています。
実は、この煽り文の突っ込みが意外に面白かったりするので、残してあるのは非常にうれしかったりします。
他のコミックス作品でも煽り文は残してほしいのですが、そうもいかない様子。
煽り文の面白さを再確認できるコミックスですね。
で、内容も相変わらずあるあるネタから、悪の組織と庶民的なキャラクターのギャップを使ったギャグなど、読みどころ満載です。
戦隊物や特殊警察物のヒーロー特撮が好きだった人におすすめのギャグ漫画です。
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![]() | 突撃!パッパラ隊 1 (IDコミックス REXコミックス) (2008/10/09) 松沢 夏樹 商品詳細を見る |
ガンガン創刊号から連載されていたギャグマンガ。
パッパラ隊という軍隊を舞台にしたミリタリーギャグが売りで、
「軍隊」「戦争」「軍事機」「兵器」という、どちらかというと世間からタブーとされるはずの素材を、非常に上手く料理することで、斬新な切り口のギャグに仕上げています。
こうやってギャグで戦争を茶化すことで、戦争というものの愚かさを説き、平和を訴えている作品……と勝手に主張してみます。
一応、ストーリーとしては、「死神と謳われた最強の軍人・水島がパッパラ隊という軍隊に所属することになったが、そこは変人奇人の巣窟で、そこに訪れる者も奇人変人ばかりで、水島くんはいつもそこで振り回されるのだ」という分かりやすい物。
キャラクターの変態ぶりとか、過激なギャグとか、シュールなストーリーとか、ギャグの質もさることながら、やはり兵器や戦争をネタにしたギャグが一番の見所かと。
ただ、兵器や戦闘機を描くのは大変な作業で、作者の負担も大きかったことから、>「作者が兵器や戦闘機を描くのが面倒くさくなる」という怪奇現象が発生!
第2部あたりから、キャラクターの変態ぶりを売りにしたドタバタギャグが中心となり、兵器や戦闘機がほとんど出なくなりました。
軍隊も、単なるグループ集団でしかなく、一気に味気なくなりました。
それはそれで面白いかと思いますが、斬新な切り口から始まったギャグが失われ、個性が薄れてしまいます。なんか勿体無い。そして、最終的にはマンネリに陥り、半ば打ち切りで完結を迎えるのです……。
とりあえず、初期の頃のミリタリーギャグは目を見張るモノがあるので、初期の頃を楽しみましょう。
![]() | 女王騎士物語 1 (ガンガンコミックス) (2004/01/22) 下村 トモヒロ 商品詳細を見る |
「少年漫画あるある」「ファンタジー漫画あるある」「RPGの設定あるある」を重ねあわせたら、こんな漫画が生まれました。
あれも見た、これも見た、というありがちな展開が連なり、
よく言えば、期待を裏切らない。安心して読める。
悪く言えば、予想を裏切らない。展開が読める。
そんな内容になっています。
・主人公がヒロインに一目惚れして、それに近づきたくて職業を決める
・いろいろな課題が盛り込まれた実戦的な選抜試験が開催される
・主人公に秘められた力がある
・仲間の一人が魔道に堕ちる
・ツンデレなお嬢様に惚れられる
・武器が特殊能力を授けてくれる
・死んだと思ったら生きてる
・仮面をつけて正体不明(だけど、実際はバレバレ)のキャラが助けてくれる
……などなど、数えればキリがありません。というか、全てが「あるあるネタ」です。
これを王道ストーリーとして許すか、オリジナリティがないツギハギストーリーと批判するかは人それぞれだと思います。
個人的には、後者の印象です。ベタベタすぎるストーリーに、そこまで面白味を感じませんでした。
ただ、
・お金の単位「カネー」
・主人公がいた村「トアル村」
・貴族の家系「キゾーク家」
・頭が特徴的な男「リプリー=ウンコプ」
・超必殺技「スクウェア・フェニックス」
……などなど。こんな作者のセンスのなさすぎなネーミングセンスが、逆に面白くて印象に残りました。まぁ、洒落たネーミングセンスをしないで、あえてダサい名前を付けているんだと思いますけどね。
オリジナリティがないのがオリジナリティという不思議な漫画です。
ちなみに、最終回は「打ち切り漫画あるある」で終わりました。
![]() | 椎名くんのリーズニング・ファイル 1 (ガンガンコミックス) (1997/01) あさみ さとる 商品詳細を見る |
金田一少年の事件簿、名探偵コナンの後に続けと、推理漫画が流行していた当時…。
月刊少年ガンガンも流行に便乗しようと本格推理漫画の連載が始まりました。
それがこの「椎名くんのリーズニングファイル」!!
内容は、本格的な推理物で、金田一少年やコナンに引けをとりません。まぁ、逆に言えば、似せすぎてオリジナリティがないんですけれど。
時代に求められたので、この作品に罪はありません。
この漫画のよさは、トリックの良さです。
心理トリックが中心で、医学や物理学などの知識なしでもわかるトリックがメインです。読者も推理しやすいってのは、良いことです。
金田一少年たちの二番煎じ推理コミックの中では群を抜いて、トリックの出来が良いです。
また、トリックの出来の良さは折り紙つきで、この漫画で使われたトリックとまったく同じトリックが、名探偵コナンにそのまま使われたほどです。
(えっ? それってパクリなんじゃ……)
ただ、この漫画の作者さんは、トリックを自分で考えていたそうで、あえなくネタ切れで、休載することになり、そのまま、帰ってきませんでした。
心の中から、この漫画の連載が再開されることを望んでいます。あさみ先生、スクエニさん、気が変わったら、連載再開をお願いいたします。
あと、コミックに未収録の話が5話もあるので、何とかしてあげてください。
![]() | 女王騎士物語 8 (ガンガンコミックス) (2006/09/22) 下村 トモヒロ 商品詳細を見る |
下村トモヒロ作・ガンガンコミックス「女王騎士物語」
このコミックスの特徴と言えば、偶数巻の作者コメント。
偶数巻ごとに表紙裏の作者コメントに90年代スクウェアネタが使われていて、90年代スクウェアファンとしては見逃せないコミックスでした。
2巻
「2かんですぜ。あんたもせいちょうしたもんだ」
4巻
「じょうおうきしものがたり4かんだね?
1つ ¥410だ。
買うかい? 買うかい?
はい
いいえ
>殺してでもうばいとる
6巻
下村「ご苦労 諸君
印刷所「原稿はどこだ!?
下村「原稿料が先だ。
担当「原稿はできているんだろうな?
下村「むろんだ。さあ原稿料をもらおう。
印刷所「これだ!
>>原稿料を手渡した!
印刷所「原稿をよこせ!
下村「原稿?なんのことだ?
印刷所「なに!?
担当「話がちがうぞい!
編集「どこまでもきたないヤツ!
スクウェアとエニックスが合併してよかった!!!
と、きて……。
待望の8巻!!
わくわくしながら表紙をめくると……。
8巻
「表紙の二人よりもキャロルのほうに力が入ってしまいました
……下村ぁああっ!
な ぜ だ…… 下村とは一体うごごごご……
![]() | マテリアル・パズル ゼロクロイツ 5 (ガンガンコミックス) (2010/11/25) 土塚 理弘 商品詳細を見る |
わかってる!!
ガンガンオンラインで読めばいいんだろ!!
コミックスを全部集めればいいんだろ!!
レビューをすればいいんだろ!!!
ということで、ゼロクロイツ5巻です。
今までの1~4巻は、この巻までのお膳立てに過ぎませんでした。
主要キャラクターのつながり、
本家マテリアル・パズルとの絡み、
熱いバトル漫画らしいバトル、
そして主人公の主人公らしさ。
この5巻でようやく発揮されます。
正直、ここまで面白くなるとは思いもしませんでした。
ガンガン本誌で連載していた頃のつまらなさが嘘のよう。
のんきに女王騎士選抜試験とかやってる場合じゃない。
本誌で読んでいたのに、ガンガンオンラインに島流しになってから読んでない人は、大損こいてます。だから、コミックス揃えて全部読んでおこうぜ!
この後の、6巻掲載予定分の連載もかなり白熱した感じにストーリーが展開しているので、期待していいです。
やっぱり、だらだら連載してちゃあダメだね。
![]() | 偽PAPUWA (2)―柴田亜美黙認海賊本 (2004/08/21) 不明 商品詳細を見る |
この本は「PAPUWA」のアンソロジーコミックスです。
ガンガンが送る豪華執筆陣が、それぞれの「PAPUWA」を描くという企画本です。
アンソロジーというと聞こえはよいですが、内容はオフィシャル同人誌にしか過ぎません。
まぁ、豪華執筆陣のPAPUWAの同人誌だと思っていただければ結構なのですが。
しかし、この同人……いえ、アンソロジーコミックスは、確かに、スクウェアエニックスが誇る作家陣で、スクウェアエニックスにゆかりのある作家が目白押しなのですが、アニメ化までされている「PAPUWA」のブランドに勝てる作家がほとんどいないのが非常に残念です。
それぞれの作家が持ち味を生かして「PAPUWA」を描くというよりも、「PAPUWA」の持ち味に作家が動かされているような作品が多々あるのです。
簡単に言えば、原作・柴田亜美 作画・スクウェアエニックス作家陣 というイメージの作品が多かったということです。
確かに、「PAPUWA」の作品の味を壊してはいないのですが、逆に言えば、それなら本当の作者「柴田亜美」でも描くことができます。
「原作・エニックス作家陣 作画・柴田亜美 にしたかったけど、柴田先生が忙しいから、仕方なく、作画もエニックス作家陣にまかせた」ような個性ある作品を読みたかった……。
もう一つ。
別の角度から話を持っていくことにします。
このアンソロジーコミックスは、正直なところ、PAPUWA人気に便乗して販売された商品。
アニメを観た人などが、本屋でカバーを見て手に取るケースもあるはずです。
むしろ、何も知らない子供たちに本家コミックスと間違えて買わせようとしているスクウェアエニックスの策略が目に見えています。
で、読んだら、柴田亜美とは全くつながりの無い作家が目白押し。
つまり、このアンソロジーに依頼が来た作家に取っては、このアンソロジーコミックスを利用して、自分のファンを獲得する千載一遇のチャンスだったのです。
他人の土俵に上がっているのだから、自分の味を見せつけることが重要だと思うのです。
しかし、よく見てみれば、どの漫画家も自分の持ち味を殺して、柴田亜美の絵柄に似せようとしたものばかり。
オリジナリティのかけらもありません。
(土塚理弘くらいですか……逆に柴田亜美の作風を喰っているのは)
要するに、「PAPUWA」を超える面白さが無いということ。
よほど、PAPUWAによっぽどの思い入れがあるか、執筆している作家に思い入れがあるかでないと、お勧めできかねます。
もっとも、「終盤のPAPUWAは、シリアスな話がメインばかりなので、ギャグが不足してつまらないよー もっとギャグ満載なPAPUWAが読みたかったよー」という方にはちょうどよいかもしれません。
![]() | 魔法陣グルグル外伝 舞勇伝キタキタ 1 (ガンガンコミックスONLINE) (2009/07/22) 衛藤 ヒロユキ 商品詳細を見る |
ガンガンオンライン創刊時に中核として鳴り物入りで連載された、「魔法陣グルグル」のスピンオフ作品。グルグルでのメインキャラクター「キタキタおやじ」を中心に据えた、カオスなギャグ漫画となっています。
やはり、目をひくのは、キタキタおやじの圧倒的存在感。超個性的なビジュアルを持ち、「キタキタおどり」という奇怪な踊りを世に広めることに全力を尽くすギャグキャラクターで、前作「グルグル」では、最初はちょっとしたギャグ要因の脇役にすぎなかったのにあまりの人気にメインキャラクターにまで昇格していました。そんな異色の経歴の持ち主だけあって、タイトル看板を背負った今作「キタキタ」では、より一層ストーリーをかき回してくれます。
また、ギャグ的にも安定した物があり、安心して読めます。
前作「グルグル」は、
メタRPGなギャグや、斬新な世界観に満ち溢れ、いきなりにして最高潮だった初期。
キャラクターもそろい、ストーリーも軌道に乗り、非常に安定して面白かった中期。
画力は向上したものの、作者のやる気が失われ、休載がちでグダグダだった末期。
の3部構成で、ギャグのクオリティがまばらでした。
この「キタキタ」は、「グルグル」初期ほどのクリティカルな笑いはありませんが、中期の頃の安定した面白さがあります。
終盤にシリアスを盛り込もうとしてグダグダになる心配もありますが、キタキタおやじが中心になっていれば、いつまでもギャグ中心の安定したストーリーになってくれるはずです。
ガンガンオンラインのホープとして期待してます。
![]() | 同棲レシピ 1 (ヤングガンガンコミックス) (2006/08/25) 大島 永遠 商品詳細を見る |
大島永遠による同棲コメディ漫画。
大学生の彼氏と高校生の彼女の同棲カップルを中心とした、コメディタッチの漫画で、可愛らしい女の子の絵柄もあってか、それなり人気を博していました。
「メインのカップルに織りなすドタバタコメディ」や
「時折挿入されるお色気シーン」など、
見所は人それぞれでしょうが、
個人的には、たま~に出てくる
「同棲あるあるネタ」
が一番のツボです。
女の子やコメディやお色気などを扱った漫画は、探せばいくらでも出てきますが、同棲あるあるネタは、なかなか見られるものではありません。この漫画が似たような他の漫画から一歩先に抜け出る要素であり、この漫画の真骨頂といえるでしょう。
ただ、こんな同棲あるあるネタが、なんで「ヤングガンガン」なんてコアな雑誌で受けているのかが謎ではあります。
どこまで通じているのやら。
![]() | キズナ 1 (ヤングガンガンコミックス) (2007/08/25) 結城 稜 商品詳細を見る |
「キズナ」はヤングガンガンで連載されていたサスペンス漫画。
おとなしいヒロインと、そのヒロインと同じ容姿を持つ狂気的な少女。
この二人の描写が交互に描かれ、
その少女は、ヒロインが幼い頃に亡くした双子の姉なのか?
それとも、ヒロインが二重人格で、二人は同一人物なのか?
この2つの見解のうち、どちらが真相なのかを考えながら読んでいく作品です。
個人的には、この2つの予測がミスリードで、読者の予想を覆す第3の結末(例えば、少女はヒロインのクローンだった!?)を期待していたのですが……。
いや、まさか、本当に第3の結末を迎えるとは思いませんでした。
「打ち切りでどちらかわからないまま終わる」
という結末でしたが。
それはまぁ良いのです。
ただ、コミックスには、完結の表記がありません。
あたかも連載が続いているかのような終わり方なのです。
コミックス内の巻数表示も、全2巻ではなく、1~2 と、連載が続いている作品と同じ表記がなされているのです。
単行本派の人にはたまったものではないでしょう。
待てども暮らせども3巻は発売されないのですから。
もしかすると、連載再開の可能性もあるのかもしれません。
ただ、ヤングガンガンで第一部完となった作品の第二部が再開されたことは一度もありませんし、
打ち切られた時のヤングガンガンでは「キズナ・終」と明確に完結していました。
到底再開は望めそうにありません。
なので、このキズナをお買い求めの方は、この辺りの事情をご理解いただいた上でお願いします。